威容を呈するは大江ビルヂング、葛野壮一郎設計、1921年竣工である。

私の背後が裁判所という場所柄、法律相談事務所が沢山入っているのだが、
中央電気倶楽部とは異なり、石材の無機質な色調は、それに相応しい厳格さを感じさせる。
切妻、それも威圧感のある妻側を、正面の最上部に冠したのにはそういった意図があるかも知れない。

それにしても、この毅然とした佇まい、90年もの間建っているとは思えない。

入って左の守衛さんに予約した件を話すと、私は地下にある事務室を探しに降りた。
前へ 戻る 次へ