【Left Architecture】

★★★★★
社会という伴侶に先立たれ、取り残された建築は
孤高の語り手として、其処に在り続けるのです
大聖堂で巨神兵と戦う少女と言われました、成程
レトロな音色のストリングスに始まる楽曲です。イントロからピアノが浮かび上がった直後、変拍子も吃驚な旋律が襲います。フォルテッシモなピアノの後ろでは、ストリングスがその逆行形を演奏し、続けてそれらの旋律は延長され、床を跳ねる物音のようなパーカッションが加わると同時に、リズムが変化します。
以降はストリングスとピアノを中心とした旋律に、ブラス・クワイアが加わり、流れるような展開を意識して制作しています。パーカッションのうち、ホイッスルのような音色がリバーブにより大きく響いたため、パラメトリックイコライザーで原因の周波数を特定し、バンド幅を狭く、4600Hzを中心に-2.5dBカットしました。同じくリバーブにより生じたピアノ低音の唸りは、シェルビングタイプのフィルターによって抑えました。
--------------------------------Jun. 2009--------------------------------
【少女は貴き犠牲の上に】

★★★★★
An only daughter of a ranch house,
A blonde angel of innocence and ignorance,
Marysa smiles, merely cherishing beautiful things.
One day she was brought her sister, the snowy lamb.
She bleated looking up at Marysa with the moist eyes.
Father told Marysa to take care of her, and she briskly obeyed him.
Since then the sisters have always lived together.
They looked different, but understood each other like true ones.
Marysa hoped that the precious life would last forever.
Believed that it would, blindly.
Life of happiness comes to the end, no matter how delightful it is.
One day in winter, a truck violated the never-never land.
Robust men tore the lamb off Marysa, and hurried it up to the platform.
Struggling lamb, capriccio of shouting and scolding voices.
Marysa fiercely grabbed at them, but it was the gentle father, who knocked her down.
They handed some dough to him, and left beyond the horizon.
In her frozen body, only the cheek was feeling numb.
The last glimpse of the sister's eyes,the look of entreaty and resignation,
was deeply engraved on her mind.
How much do we trample on others in life ?
How much do we experience the loss as the cost ?
What an awful curse we are laid !
Still, someday the girl shall grow up and bear a child.
The curse taken over in the lineage of human beings.
Will never, never forgive it.
Scapegoat......
以上の標題を記した上で制作致しました。メリーさんの羊のアレンジではありつつも、主旋律は自前で用意するというコンセプトで制作しています。ノイズィーな音色のエレキギターをヴィオラが包容し、鉄琴系の音色が原曲を演奏します。作曲については比較的スムーズに終わりましたが、苦心したのはミックスで、原曲をそれとなく、されど制作した本人以外にも判るよう、どの程度響かせたら良いのか悩みました。最終的なバランスは、一音一音のレベル修正により実現しています。原曲を奏でる音色も過去最悪に決まらず、試行錯誤の末の選択となっております。
(May. 2009 初版)
--------------------------------Jun. 2009--------------------------------
【Trick, trick, trick, trick, trick, trick, trick, and Trick★】

★★★★☆
実は先日ハロウィンの晩に、
小さな子が家の扉を叩きましてね。
私が出ると言ったんですよ。
「お菓子くれなきゃ悪戯するぞーっ」
ってね。
だから私は丁度手にしていた麦酒、
ではなく実家から送ってもらっていた
お菓子を渡してあげたんですよね。
するとその子は、
「わぁ、お菓子ありがとー」
と、さぞ嬉しそうに言って、満面の笑みを浮かべ、
お菓子をばらばらと両の手から棄てたんですよね。
想定外の出来事に思考回路がエラーを起こす私に、
その子は散らばったお菓子に目をやりつつ、言ったんですよ。
「お菓子なんかくれないと思ったのに」
(私を甘く見たなとか、言える訳無いじゃないですか
「ねえ」
目線が私へと這い上がり、
「お菓子なんていらないから、早く悪戯させてよ」
標題の通り、がらりと豹変する楽曲です。木琴・フルート・アコースティックギター・チェロによる和やかな演奏の後、リバーブで加工したエレキギターが牙を剥き、コントラバスに乗せて演奏されます。続けて主旋律としてドラムが演奏され、シンセパッドによる彩りを経て、中盤へと至り、シンセパッドによる独特の浮遊感と、高音がもたらす緊張感が広がります。程無くして序盤とは異なる音色の打楽器が、一周を締め括ります。主旋律を奏でるドラムには、リバーブ・イコライザーを用い、理想の響きを追求致しました。
(Nov. 2008 初版)
--------------------------------Jun. 2009--------------------------------
【ラ・フランス・ドール】

★★★★★
用無し人形
狂気で 愛嬌で
ラ・フランス・ドールは貴方を魅了する
瀟洒に 軽快に
格式高くも魅惑的に舞うラ・フランス・ドール、そんな光景から構想した楽曲です。鍵盤楽器・打楽器によって奏でられるコンスタントなフレーズを基に、シンセリード・エレキギター・パーカッションが加わる等、場所によって様々な表情を見せます。
楽曲は、不協和音を伴うアグレッシヴなピアノとパーカッションに始まります。ブラス・クワイア・シンセリードが加わり盛り上がった後、中盤ではクールダウンしたかと思えば転調し、音色はエレクトリックピアノとなり、シンセパッドに加え、幻惑的なパーカッションが聴き手を翻弄します。そうするうちに基本のフレーズが強まり、今度はエレキギターとともに弾けます。
その後、オルガンの生温かいフレーズで不気味な静寂を経て、最後はメインのフレーズを爽やかに、ピアノと打楽器で演奏して終了します。テーマであるフレーズは言うまでもありませんが、作曲の段階で最も苦心したのは展開と音色でした。ミックスでは、中盤のダズリングなパーカッションをどのように聴かせるか、検討に時間を費やしました。
(Jul. 2008 初版)
--------------------------------Jun. 2009--------------------------------
【祈りの結実 -Precious Destination-】

★★★☆☆
U 着陸が成功し、静寂が歓声に変わり、恋人と再会するまで
着陸の成功を告げる機長の言葉に、乗客の期待は確信へ変わり、歓声に機内が沸き返る様子、及び、恋人と二人、微笑ましくも嫉妬しそうな再会シーンから、楽曲を構想しました。二管編成のオーケストラにより、自分、恋人、機長、乗客に押し寄せる安心感を、盛大に表現しています。その純粋な感情を表現するため装飾の無いストレートな旋律としましたが、それゆえオーケストラのバランスや、旋律そのものについては、入念な検討を行いました。
続く恋人との再会に合わせた部分では、同一の旋律を、エレクトリックピアノの柔和な音色で演奏し、シンセパッドによる温厚さの補完、ハープによる恋人の温もりの表現を行いました。「一年も顔見せてないのに何こんな時まで心配させてるのよこの馬鹿!(泣」と怒られます。余談ですが、タイトルは一曲目との兼ね合いや、二曲目の中で場面が変化する事から、決めるのに三日かかりました。
--------------------------------Jun. 2009--------------------------------
【天翔ける使命 -Resolute Determination-】

★★★☆☆
T 緊迫した操縦室に切り替わり、胴体着陸が決行されるまで
操縦室の空気・操縦士の意志から楽曲を構想しました。それまでの穏健な曲調はシーンとともに一転します。ストリングス・シンセサウンドの鋭利な音色により、操縦室の張り詰めた空気を表現し、屈強に演奏されるストリングス・パーカッションにより、機長の決断・使命といった感情を表現しています。
全体を通して小刻みに演奏されるストリングスは、文字通り刻一刻といった焦燥感を聴き手に与える事を意図しています。中盤で荒々しく演奏されるストリングスも、聴き手の不安を揺さ振り増幅させる事を狙いました。パーカッションについては、ティンパニとシンバルでは切迫感に欠けるため、中盤で各小節の初めに武骨な打撃音に加え、金属的で硬い音色を奏でた他、同時に不規則な音色で錯乱させるような演奏をアクセントとして加えました。
着地寸前を想定した終盤では、クレッシェンドに加え、不協和音・金属音を奏でる事で、クライマックスの昂揚を演出し、最後の不協和音では、どうなったの!?と思わせて締め括る事を意図しています。マスタリングでは、ダイナミックレンジの短縮を最低限に抑えるべく、コンプレッサーは気休め程度に掛けており、以降の楽曲も、それに倣う形と致しました。
--------------------------------Jun. 2009--------------------------------
【Projective Method】
★★★★☆
ふと気が付いたのです
私の想いを代弁しているのかと
--------------------------------May. 2009--------------------------------
【振り向かない】
★☆☆☆☆
昏く怠い、嫌い(あ
--------------------------------May. 2009--------------------------------
【幼きシルフ達の合唱会】
★★★★☆
大空の息吹が、全身を撫ぜてゆく
柵の無い世界を、私は謳歌していた
余計な事考えずに普通の曲作ろうよという冴えない目標を持って制作した三曲目
それなのにこの曲は、そんな自分に初心を思い出させてくれた
まさかのフルートにオーボエ、懐かしいオルガン、軽快なドラム
和み・癒し・幼さを感じて頂けたら幸い
--------------------------------Apr. 2009--------------------------------
【陰鬱のミルクティ】
★★★★☆
モノクロームの午後
気怠く移ろう鈍の空
滲む通りを過ぎる影
脆く臆病で不器用な私は
その様を徐に見遣りつつ
私を受け入れてくれるこの場所で
重厚なる祁門に身を委ね
感傷に浸るのだ
--------------------------------Mar. 2009--------------------------------
【四神の十字砲火】
★★★★☆
飛鳥の真神原で建立が進められていた大陸式寺院が落成を迎えたという
というわけで行ってみましょう的な乗りで第一面れっつごー
一年後の自分に負けぬよう余計な事考えずにこれまでの集大成として制作した
いつも思うが自分を超えるのは大変で、増してや一年後の自分になど
勝てる訳が無い
--------------------------------Feb. 2009--------------------------------
【僕は正義になれなかった】
★★★★☆
「正義を名乗る貴方は、そんな僕を、どうするのかな?」
--------------------------------Oct. 2008--------------------------------
【今は亡き大正の情熱】
★★★☆☆
近代化という気運、欧米諸国に倣わんとする気概
それが達成されて久しい今、我々は何を目指すのだろう
--------------------------------Oct. 2008--------------------------------
【トロイメライ 〜ビー玉の中の慧〜】(停滞期2)
★☆☆☆☆
朧げな意識の中、翠眩いアーチの下を歩いていた
変幻自在の、夢物語
--------------------------------Sep. 2008--------------------------------
【ピンクパンティー再び】(停滞期1)
★☆☆☆☆
ミステリアスな空気を纏い流れるブラス
皆の言うことを聴かないピアノ
ドラムソロに影響された巫山戯たドラム
--------------------------------Aug. 2008--------------------------------
【軽く赤兎をマジギレさせてみた】
★★★★☆
インドが誇る万能楽器シタールと雅楽器
茫洋とした旋律の中で冴える三味線
目指す音楽を初めて表現できたものかもしれない
--------------------------------Jul. 2008--------------------------------
【最期の春 〜極楽寺の家〜】
★★★★☆
神寂びた光景、未見未踏にもかかわらず懐かしい場所
初めて知ったのが、それが喪われたという報せでなければ
そんな感情で創られたこの曲は、今も私を苦しめる
2007年4月
最期の春は、一際美しかったことだろう
つくづく、科学技術は進化し、
自然力や人間力が退化していくように思える。
過去の人達が誇りを持って構築した世界観、
可視的な記憶装置、つまり建築が打ち砕かれていく。
庭の紅葉も椿も梅も桜も熊笹も、
何もかもが今や失われてしまった。
(鈴木喜一)
仔細に家を見ると、80年も経つというのにさほど損傷が見られない。
至る所に良材が用いられていながら、それが目立たないように作られている。
地味だが凛としたものが感じられる、品の良い空間がそこにはあった。
七月半ば、改めて現場を訪れた私は、樹木や竹が無くなり、伐り取られ、
掻き回されて変わり果ててしまった土地の光景に、言うべき言葉も無かった。
(對馬英治)
--------------------------------May. 2008--------------------------------
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